自閉症スペクトラムという言葉を聞いたことある人はいるでしょうか。
今でこそ、少しずつですが自閉症スペクトラムに対しての理解が、
社会に広がりつつありますが、それでもまだ、どのようなものなのか、
分からない人もいるかと思います。
あるいは、自分の周りに自閉症スペクトラムの人がいるけど、
どのような対応や援助をしたら良いか分からずに、
頭を抱えて悩んでいる人もいるかと思います。

そこで今回は、自閉症スペクトラムの特徴や症状がどんなものか、
自閉症スペクトラムへの対応や支援方法をご紹介したいと思います。
また、「自分の子供ってもしかして自閉症スペクトラム・・・?」と
疑いを持っている親御さん必見の簡易診断などのご紹介もしたいと思います。
自閉症スペクトラムの特徴や症状は?
自閉症スペクトラムの特徴や症状には
一体、どんなものがあるのでしょうか。
自閉症スペクトラムとは、
自閉症障害、高機能自閉症、レット症候群、
小児崩壊性障害、そしてアスペルガー症候群などの、
幅広い広汎性発達障害のことを指します。
この中でよく皆さんが耳にするのは、
自閉症障害、アスペルガー症候群だと思います。
では細かく、今回は自閉症障害について、
どのような症状や特徴があるのかをご紹介します。
アスペルガー症候群についてはコチラの記事で紹介しています。
↓ ↓ ↓
「アスペルガー症候群と自閉症の違いや特徴は?大人は恋愛も仕事も苦労する?」
自閉症障害とは、よく耳にする「自閉症」のことです。
人とのコミュニケーション能力に障害や困難が生じたり、
ある行動や物事に強いこだわりを見せる「精神障害」の1つです。
先天性の脳機能障害といわれていますが、どのようなメカニズムで、
自閉症の症状が出てくるのかは、実はあまり良く分かっていません。
「従来型自閉症」と「高機能自閉症」、そして「サヴァン症候群」の
3つのタイプに分かれるのが、自閉症障害の大きな特徴です。
○従来型自閉症
こちらは、「知的障害」が伴う自閉症になります。
知能指数と呼ばれる、知能検査の結果の表示方式があるのですが、
この知能指数の数字がIQ70以下となると、「知的障害」と認められ、
一般的な人たちよりも、少しだけ勉強面や生活面などの遅れが出てきます。
この知的障害に加えて、先ほど挙げた自閉症の症状を伴ったものが、
従来型自閉症と呼ばれる、皆さんの思う自閉症になります。
○高機能自閉症
こちらは、「知的障害」が伴わない自閉症になります。
この高機能自閉症は少し厄介なもので、
知的障害がない自閉症の症状が出てくるため、
「少し変な人」という認識をされてしまいがちになります。
上手く社会と生活ができず、人とのコミュニケーションが困難になるため、
この症状を抱えた本人は、とても苦しい思いをすることになります。
○サヴァン症候群
この病名を聞いたことある人はいるでしょうか。数年前、SMAPの中居正広さんがドラマで演じた主人公が、
このサヴァン症候群を患っていました。コミュニケーションが困難、そして知的障害もあるのですが、
「ある分野にだけとてつもない能力を発揮する」という特徴があります。
例えば、ごちゃまぜにした年月日を一瞬で言えるカレンダー計算が出来て、
普通の算数のような計算が出来ないということがあったりします。
このように、自閉症と一言で言っても多くの特徴や症状があります。
これらを知っておくだけでも、自閉症の方々の救いになります。
家庭でできる自閉症スペクトラムの簡易診断方法

「もしかしたら自分の子供が自閉症スペクトラムかも・・・?」
そんなことを考える人もいるかと思います。
そんな方のために、簡易診断方法が出来るサイトを、
いくつかご紹介したいと思います。
http://www.the-fortuneteller.com/asperger/aq-j.html
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/17892306.html
http://jihei.health-ask.net/inspection/selfcheck/
M-CHATは子供向けの自閉症スペクトラム診断に
よく使われる有名なテストです。
23個の質問に答えるだけで自閉症かどうか知ることが出来ます。
子供が自閉症スペクトラムかも・・・と疑っても、
なかなか病院に行く勇気って湧かなかったりしますよね。
学校に相談するのも何だか・・・なんて考えてしまったりしても、
とりあえず1回、このような簡易診断をお子さんと一緒にしてみると、
お子さんの様子を見ながら、症状と照らし合わせることが出来るので、
誰かに相談をした時に具体的に相談しやすくなります。
また、こんなに質問答えるのも・・・なんて考えてしまう親御さん!
以下の3つに気を付けてお子さんを見ているだけでも、
自閉症かどうかある程度、見抜くことが出来ます。
・物を指さすことがない
・同じ目線で物を追いかけることがない
このような状態がお子さんに見られるようでしたら、
自閉症を疑っても良いかと思います。
注意深くお子さんを見てみて下さい。
自閉症スペクトラムの対応と支援方法
(自閉症の子供の授業風景)
自閉症スペクトラムの子供にはよく見られる光景が、
この動画には挙げられています。
じっとしていられないことも特徴の一つです。
そんな自閉症スペクトラムに対する対応や支援方法には、
どのようなものがあるのでしょうか。
自閉症スペクトラムの人は、時間を読んだりするのが苦手です。
そのため、1日のスケジュールが立てられなかったりします。
細かい1日のスケジュールを立ててあげましょう。
○スケジュールの立て方の例
10時:勉強
11時:休憩(飲み物を飲んでも良い)
11時15分:部屋で遊ぶ(外に行ってはいけない)
12時:お昼
このようにして、時間とやることをきちんと決めてあげることで、
自閉症スペクトラムの人は、初めて普通の人と同じように動くことが出来ます。
この予定も親だけが立てるのではなく、お子さんと一緒に立てたりすると良いです。
そして、この予定を見ていて気づくことってありませんか?
「○○をしても良い」「○○をしてはいけない」と書いてありますよね。
これも、自閉症スペクトラムの人と関わるのに重要な支援方法になります。

1つ1つ「やって良い事」「やってはいけない事」をメモ化して、
自閉症スペクトラムの人に持たせてあげることも大切になってきます。
そのようなメモを本人に書かせて、本人の首にかけてあげたりして、
分からなくなったらすぐそのメモが目に入るようにしてあげると、
本人は安心して生活をすることが出来ます。
○やって良いこと、やってはいけないことリスト作成例
・公園で走りまわって良い
・休憩中にジュースを飲んでも良い
・おやつにお菓子を食べても良い
・家の中と学校の中は走ってはいけない
・勉強中はジュースを飲んではいけない
・お昼にお菓子を食べてはいけない
このようなリストを「1つの紙にまとめて」あげると、
自閉症スペクトラムの人がすぐに見ることが出来るので、
とても生活がしやすい空間を作ることが出来ます。
自閉症というものは、周りに迷惑かけることもあったりして、
相談しにくかったいり、偏見を恐れたりして苦しむかと思います。
しかし、1番苦しんでいるのは、自閉症の本人です。
今ではネットが普及しているので、他の自閉症で悩んでいる人たちとの
情報交換もすることが出来るので、そのような意見交換をしてみるのも良いですね。
昔に比べて、自閉症スペクトラムに対する理解が広がってきているので、
周囲が1歩踏み出して、相談をしてみるのも大切になってきます。
この記事を読んで、どうか、誰かに悩みを打ち明けられる勇気を、
持っていただけたら良いなと思っています。
各自治体でも、自閉症スペクトラムに対する相談窓口が
設置されているので、そのような施設も是非、利用してみて下さい。