2月3日は、節分の日です。
私の近所のお家には小さい子供が多いので、この時期になると
「鬼は~外、福は~内」
と、元気な声で豆まきをする子供たちの声が聞こえてきます。
この間、職場でその話をすると、
小さいお子さんが2人居る父親でもある上司が、
深く溜め息をついておられました。
何があったのか尋ねてみると、上司いわく
毎年家で鬼役をやるのだけど、
また、豆をぶつけられるのかと思うと憂うつだ
ということでした。
子供はこういった行事が大好きなので、
子供達が飽きるまで鬼役として、
豆をぶつけられ続けなくてはならないのだとか。
…子供を持つ世の中のお父さんの苦労を垣間見た瞬間でした(笑)
それはさておき、
今ではすっかり家庭行事として定着しつつある節分の豆まきですが、
そもそも何のために行われていた行事なのでしょうか?
と言うことで、
今回は節分と豆まきに関する事について調べてみました。
予想以上に奥が深く、驚きの連続でした。
では、いってみましょう!
節分といえば恵方巻き!こちらの記事もご覧ください。
↓ ↓ ↓
「恵方巻きの方角2015!?実はある「法則」があるんです!」
節分豆まきの由来と起源は?
節分の日の由来は?
何故2月3日が、節分と呼ばれるようになったのでしょうか。
節分とは、元々は、一年の季節の変わり目の事を意味します。
昔は『せち分かれ』と呼ばれ、
立春・立夏・立秋・立冬の始まりを節分とされていました。
つまり最初、節分が4回あったということなのですね。
その中でも、立春には特別な考えがあり、
『悪いものを追い出して、素晴らしい春を迎える』為、
2月3日のみが節分として注目され残ったと言われています。
そして、日本で最初に節分の行事が行われたのは、平安時代まで遡ります。
暦が旧暦でしたので、この時の立春こと節分は、大晦日にあたりました。
当時、宮中では今でいう陰陽師ブームの最中でした。
新しい年を迎える為に、宮中では陰陽師の力を借り、
旧年の厄や災難を祓い清める『追儺(ついな)』の行事が行われていたのです。
この行事が、豆をまいて悪鬼を追い出す行事へと発展し、
室町時代には民間にも定着していきました。
これが豆まきの由来となっています。
要約すると、
もともとは4つの季節の変わり目を意味していたものが、
特別な意味のあった2月3日のみ注目されるようになり、
それが平安時代に「豆をまいて悪鬼を追い出す」という
陰陽師の行事へと進化して行った。
という事ですね!
でも、何故豆をまくようになったのでしょうか?
陰陽師はなにを思って豆を巻いたのか?
次は、その起源を探ってみましょう。
豆まきの起源は?

豆まきの起源は、各諸説があると言われています。
代表的なものは、
- 豆の持つ力で邪気を払い、鬼を追い払う。
- 鞍馬山の近くに鬼が棲んでいて、村人たちを困らせていたので、
その鬼たちを追い払うのに豆を使った。 - 鬼が暴れている時に、毘沙門天の神様のお告げで、
豆を鬼の目に投げたら退治が出来た。
と、なっています。
中でも1.について、豆の力は『まめ⇒魔目⇒魔の目』とされ、
さらに『まめ⇒魔滅⇒魔を滅する』に通じると考えられていました。
今でいう当て字のようなものですね。
また、『魔目』を無病息災を祈る意味を兼ねているという説もあるそうです。
そして、豆まきに使う豆にも決まりがあります。
豆まきに使用する豆は、必ず炒り豆でなくてはなりません。
スーパーのお店で売っている豆も、炒り豆が使われていますよね。
これは『福豆』とも呼ばれ、
『炒る=射る』という語呂合わせでもあります。
さらに調べてみると、これには語呂合わせとは別に
理由が2つあることが分かりました。
その2つとは、
- 豆を生のまま投げると、拾い忘れた豆から芽が出てきてしまい、
縁起が悪いとされてきた為に炒り豆を使うことになったということ。 - 鬼と大豆の関係が背景にある
という説です。
2.は中国古来より伝わる陰陽五行説によると、
鬼と大豆は陰陽五行説の中で、同じ『金』に属しており、
お互いに助け合う存在にあります。
鬼を追い払うために豆まきをするのに、このままではいけない!と考え、
当時の人々が考えたのが、豆を『火』で炒ることだったのです!
ここでいう『火』は、
鬼の持つ『金』の作用を封じる意味を持っていますので、
炒り豆のおかげで、無事に鬼退治が出来た
という事が言い伝えられています。
このように、当て字と言い伝えから豆が選ばれるようになり、
陰陽五行説に基づき、鬼との相性を考えて「豆を炒める」ようになったんですね!
ただ単に、豆まけばいいんだ~。
なんていう気持ちは、今後改めたいと思います・・・汗
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豆まきの正しい作法は?
次に豆まきの作法についてです。
もちろん、先程までの私の考えのように、
「ただ豆をやみくもにまいたり投げたりする行事」ではありません!
それでは順を追って、豆まきのルールを見ていくことにしましょう。
豆まきのルール
- 福豆を升に入れて、豆まきの直前まで神棚にお供えします。
こうすることで豆に神様の力が宿ります。 - 節分の日の夕暮れ、日の沈む時間に窓を開け、
家から外に向かって豆をまく。 - 豆をまくのは主人か年男とされる。
- 掛け声は「鬼は外、福は内」と元気良く。
- 鬼を追い払ったら、すぐ窓を閉める。
- 窓を閉めたら、すぐ数え年の分の豆を食べる。
以上が豆まきの正式なルールになります。
自分が知っている豆まきと違いはありましたか?
豆まきは、今では家庭行事として、
家族それぞれ様々なルールが存在しています。
それも間違いではありませんので、
無理して変更せずに皆で楽しく豆まきをしましょう。
ただ1つ気になるのは、
正式なルール上、豆をまくのはお父さんの役目という部分ですね。
子供達の為に鬼役を買って出るお父さんの事を考えると、
ちょっぴり不憫だなぁと思ってしまいました。
豆まきのかけ声の種類と意味
最後に豆まきする時に欠かせない『掛け声』について紹介します。
豆まきの掛け声には、
『災厄をもたらす鬼は外に、福をもたらす神は内に』という意味が込められています。
その掛け声は、地域や寺社によって別のものがあり、1つではないようです。
『鬼は内、福は外』
一部の地域や寺社で使用されている掛け声です。
福を追い出すなんて、もったいない!と思う方もいらっしゃるかと思いますが、
『鬼を迎え入れて、他の家に福をもたらす』
という、きちんと意味を持って使われています。
その点は、ご安心を^^
『鬼は内、福も内』
この掛け声は、鬼を祀る神社や、鬼のつく名字を持つ家庭で使われています。
主に鬼を珍重する場所で使用することが多いようです。
でも、鬼のつく名字の家族が、この掛け声を使うのは納得ですね。
これなら安心して豆まきが出来ますよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
節分の豆まきについて、
由来や起源、ルールについてお話ししました。
ちなみに、冒頭で
「子供が飽きるまで豆をぶつけられる鬼役」を担っている
上司の話をしましたが、これには続きがありまして、
私が「私の家では、鬼役居ませんよ~」と言ったところ
「あ~いいのいいの」
と、手のひらを横に振るのです。
理由を聞くと、
どうやら
子供が楽しそうに豆まきをする姿を見られるのが
嬉しいので、これでチャラになる
という事なのだそうです。
「親バカだよ」と、ご自分でも仰っておられました(笑)
と言うことで、豆まき本来の目的や起源も大事ですが、
何よりもまず、家族みんなで楽しく節分の豆まきを楽しめるのが一番良いですよね。
いつも面倒に思っている方も、
次の節分の豆まきは、是非参加してみて下さいね。
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