夏目漱石の小説の中でも、
かなりの知名度を誇る作品「坊ちゃん」ですが、
国語の教科書で一部分だけは読んだことがあるものの、
全文をしっかりと読んだことはない・・・
という方も多くいらっしゃることと思います。
今回は夏目漱石作「坊ちゃん」についての記事を作成しました!
ぜひご覧下さい(^O^)
小説「坊ちゃん」のあらすじ
こどものころから無茶ばかりしてきた「俺」の味方だったのは
ばあやの清だけで、
家族からの愛情を受けずに育ちました。
その後物理大学校を卒業し
四国の学校へと赴任することになります。
その学校で派閥やら子供たちの交流
(主に「俺」は生徒からからかわれるのですが)
を経て、「俺」は同僚の「山嵐」と
学校の不正や同僚同士の横恋慕がもとで戦うことになるのです。
派手な殴り合いの末、
結果的に学校へ辞表を出して教師をやめた「俺」は
東京に戻り路面電車の技師となります。
しばらくの間清と平穏に暮らすものの、
やがて死別してしまうのです。
坊ちゃんのみどころはココ!
[adsense] この小説の見所はなんといっても「俺」の無鉄砲さでしょう。
後先考えずに行動し、
自分が納得するまで行動をし続ける姿は、
あっぱれの一言です。
とくに、物語の最後の方の場面で、
芸者通いをしていた同僚と上司に鉄槌を下すシーンなどは
「俺」の無鉄砲さがよく出ているシーンだと思います。
上下関係と戦うところもまた、ひとつのみどころだと言えます。
田舎の閉塞感や登場人物のキャラクターも
とても特徴的で魅力があり、
読むほどに引き込まれていきます。
仮名遣いや言い回しなどは古く
一見するとわかりにくいところもありますが、
「俺」の江戸っ子特有の
べらんめえ口調のリズムとテンポがあって、
とても読みやすいです。
この本は夏目漱石が教師をしていた時代をモチーフにした作品で、
実にいきいきと書かれていて、
夏目漱石の小説の中でもユーモアのある文体なので、
比較的読みやすく
初心者にはうってつけの入門書になると思います。
写真素材:足成
坊ちゃんを読んだ感想は?
登場人物の中の悪役が、上役におもねったり、
同僚の足を引っ張ったりするシーンは
現代の日本人の姿に重ねることができて、
「昔にもこんな奴がいたんだなあ」
と思いながら読むことができました。
最終的に「俺」は
上からの圧力などで東京に逃げ帰ることになるので、
権力に屈する悲しい話のはずなのですが、
文体からか悲壮感は全く感じませんでした。
全体を通じて清々しくて小気味よさも感じられる、
おもしろい小説だというのが、
この小説を読んでの印象ですヽ【・ω・】ノ
坊ちゃん以外の夏目漱石の代表作品は?
●「こころ」
明治末期、避暑地鎌倉へ旅行に来ていた「私」は、
「先生」という人物に出会う。
先生のもとを頻繁に訪ねるようになり、
そのうちに、私は先生の心に巣食う「過去」に触れる。
しかし、その後私は父の病床を見守るため
実家に帰省することになった。
父が何とか峠を越えた時、
私はやっと先生のから手紙を読むことができた。
しかし、目に飛び込んできたのは「此手紙があなたの手に落ちる頃には、
私はもう此世には居ないでしょう。
とくに死んでいるでしょう」
その手紙の内容は、両親を早くに亡くし、
遺産管理を任せていた叔父の裏切り
(人を信じることしかできなかった自分の無知さへの恥じ)
そして、同じ人を好きになってしまった友人を欺き、
結果的に自殺へ追い込んでしまったことへの
自責の念が書かれていた。
「あなた限りに打ち明けられた私の秘密として、
すべてを腹の中にしまっておいて下さい。」
その言葉で締めくくられた先生の遺書を読み終えたところで、
この物語は終わる。
「坊ちゃん」とはうってかわって
始終、暗い感じがする小説です。
雰囲気は太宰治の小説のようですが、
テーマは「人間らしさとは?」といった
とても哲学的な内容になっています。
友人と同じ人を好きになり、
最後には自殺に追い込んでしまうシーンは
とくに胸に迫ります(;▽;)
まとめ
いかがでしたか?
私自身「坊ちゃん」は大好きな小説なので、
この小説の魅力をお伝えできたらとても嬉しいです(´∀`)
とにかく抱腹絶倒、熱中して読むこと請け合いなので
ぜひお手にとってみてくださいね!